クローズアップ現代

今日やっていたクローズアップ現代が印象的だったのでメモしておきます。テーマは児童養護政策。特にその中での里親ファミリーホーム制度。

問題

児童虐待の相談件数が年間4万件を超えており、強い増加傾向。
児童養護施設はパンク状態、しわ寄せは児童相談所におよび、本来2ヶ月以内の滞在であるところが6ヶ月〜1年に及ぶ例もある。
心の傷を抱えた子供たちに対応するために必要な臨床心理学の専門知識が必要だが、研修・学習を行えるような余裕のある状況にない。
ルーチンの業務がパンク状態でそういう子供たちに時間をかけて対応することもできない。

対策としての里親ファミリーホーム制度

従来の里親制度は1〜2人程度の子供を育てるが、この制度では5人程度の子供を育てる。厚生労働省はこの制度を将来の児童養護の柱としたいと考えている。
 少人数なのでケアがしやすい(多人数の養護施設に対するメリット)
 子供たち同士のコミュニケーションが出来る(従来の里親制度に対するメリット)

里親ファミリーホーム制度の課題

里親にかかる負担が非常に大きい。
経済的なコスト
 5人の里親を行っていることにたいして自治体からの支援は8万円程度 貯金を切り崩すことも
家事
専門知識の習得も必要
 紹介された土井さんは里親を始めてから大学院に通ってその知識を身につけている。

自分の感じたこと

もともと見るつもりの番組じゃなかったのだけれど、目を引きつけられたのは冒頭で紹介された児童虐待の相談件数4万件という数字、それが増え続けているというのが大きな問題であると思えたから。
何故なら一方で出生数は長期に渡って下落傾向にあり、年間100万人強という数字を知っていたから。年間100万人の出生にたいして虐待相談が4万件というのは絶対値としても非常に大きい数字に思えたし、出生数が減っているのに虐待が増えている(正確には相談件数だが)というのは虐待を受けている子供の比率というのは件数以上の速度で上昇していると想像できる。もし、彼らを十分にケアすることが出来ず将来社会人として暮らしていけない大人になってしまったら。影響は非常に大きいと感じた。

対策としての里親ファミリーホーム制度。これはあげられたメリットは確かにあるんだろうと感じるけれど、ひどく危ない橋を渡っている制度に思えた。番組で見る限りではいろんな意味で大きな負担が里親にあるし、それに対する組織的なフォローが十分にあるようには見えなかったから。4−5人の子供を育てるとなれば実の子供でも大変だろうに他人の子供、それも多くは傷を負った、を里親の善意と情熱だけを頼りに育てようとしているように思われた。

自分には子供はいないし結婚もしていないから、児童関係の諸問題はどうしても他人事のように感じる部分は大きいのだけれど、何か出来ることはないのか考えておかなければいけないのかもしれない。