突然の居酒屋巡業2日目
10月2日午前9時
本日は7時ごろに富山を出て富山湾西岸の氷見漁港に来ております。氷見に通じている鉄道の氷見線はどん詰まりのいわゆる盲腸線なので便利な場所ではないのですが、こちらの魚市場に朝からやってる美味しい食堂があるとの情報を得たので、本日の朝食を当て込んでやってまいりました。
乗ってきた氷見線の車両。朝の時間ということで通学の高校生で満員で、高校成立は恐らく95%を超えていたと思いますが、意外に騒々しいということもありませんでした。富山の高校生は行儀がいいのかな?
朝食に訪れたのは氷見魚市場食堂 海寶 。漁港併設の食堂です。頼んだのは刺身定食1,100円。市場らしい豪快厚切りの刺身。あら汁も豪快。つみれが練り物なのはちょっと残念。
高岡駅氷見線のホームに鎮座していたハットリくん列車。そういえば藤子不二夫は富山出身だったっけ。
このあとは少し町と海岸を散策して(電車が1時間半待ち)、高岡に引き返して人気があるらしいカレーうどんを食べてこようかと思います。
10月2日午後6時
金沢のホテルに入って夕食への英気を養っております。ドーミーイン金沢というホテルですがなかなかいいですね、ここ。条件の厳しい割引プランだったのでお得感があるのは当然ですが、差し置いても部屋もそこそこ広く設備もきれいだし、大浴場もあって居心地がいいです。接客もしっかりしており、フロントの女性は美人でした 笑。難点は金沢駅前という立地ですね。金沢は繁華街が駅から2kmほど離れているのであまり便利な立地とはいえません。
さて、朝に戻って氷見の市外散策。朝食を食べた漁港までの道のりは全く賑やかでなく、あまり栄えてない町なのかな?と思ったのですが、少し通りをたがえてみると立派な商店街がありました。時間が早かったこともありシャッターの閉まった店も多かったですが、通り沿い両側に2km近く続いていました。氷見はやはり藤子不二夫A氏とのタイアップでも利上げを行っているようで、ハットリくんのキャラクターや水産物をモチーフにしたオリジナルキャラクターのオブジェが町のかしこで見られました。
氷見駅近くまで続く商店街を歩くとちょうどいい時間になり氷見線に乗り込んで高岡方面へ。帰りの列車は行きがけに見かけたハットリ君車両で、なんと途中のアナウンスの一部はハットリくんの声でなされるという仕様でした。もっともそれを喜んで聞くような観光客は僕くらいしか乗っていませんでしたが。
とまれそれにのって、高岡駅の一個手前の駅まで向かい評判のカレーうどん店、吉宗にいってまいりました。
http://r.tabelog.com/toyama/rstdtl/16000070/
かなりの人気店のようですが、昼休みの始まる前に到着できたので幸いにすぐ席につくことができました。カレーうどん以外のうどんメニューもありますが、客の98%(推定)はカレーうどんをオーダーしています。で、食べてみたカレーうどんですがうどんといってもあまり汁っぽさのない非常に粘度の高いものです。そのままご飯にかけてもさほど違和感がなく、実際多くの人が50円のご飯をつけています(僕もつけました)。
味のほうは確かに美味しい家庭風カレーです。まぁものがものだけに感動するようなものではないですが。一点気に入らなかったのは具に入っている鶏肉で、恐らく和風に甘辛く煮付けてあるんだと思いますが、全くカレーのソースと会わないですね。これはないほうがいい。できれば普通の豚肉か鶏肉にしてほしい。
吉宗を出たあとは近くの停留所から路面電車に乗って高岡駅へ。同一県内で二つ以上の路面電車が活きてる事例って珍しいですよね。他にあるのかな?
高岡からは北陸本線で40分ほどで金沢に到着。ホテルにすぐチェックインしたかったのですがついたのは13時過ぎで15時のチェックイン時間まで間があったので荷物だけ預けて、バスに乗って繁華街散策に出かけました。結構疲れていたのでどれだけ歩けるかな?と不安だったのですが、片町の裏通りは想像以上に面白く、時間を忘れて歩き回ってしまいました。
10月2日午後11時
夜の街を歩いて帰宿いたしました。夜の金沢、体調があまり思わしくないので不本意ながら一軒のみにとどめましたが、その一軒が実にすばらしかった。お酒のそろえもすばらしいのですが、感動したのはむしろ食べ物の方で、出てくるもの全てが常軌を逸して美味。手のかかった料理の方向には振ってなくて、あくまでも居酒屋路線なんですが、海のものも山のものも素材の質が非常に高く最低限の調理で非常に美味しいものがいただけました。
突き出しで出てきた枝豆。芳醇な香りでこの後出てくる品々への期待を高めてくれました。
鯖の刺身。鮮度の証であるようなざくざくとした歯ざわりととろける脂。
とろ鰆の刺身。鰆といえば煮つけで食べるものかと思っていましたが、こんなすばらしいサシの入った刺身で美味しい鰆も存在していたとは。。
冥加の酢の物。山菜やきのこはご主人が毎日山に入ってとってくるそうで、カウンターに載っている丸のそれは明らかにスーパーなどで目にするものとは別物です。冥加は僕が普段使うものの5倍くらいのサイズがあったでしょうか。
めごち天。ふわっとした淡白な身が軽く揚がってます。一人前にはちょっと多いけどうまいからぺろりといただける。
きのこ汁。シメジや舞茸をはじめ何種類もきのこが。マツタケっぽいのもあったけど。。
上にも書きましたが、山のものは毎日山に入って採取しているそうです。魚や他の品を見ても仕入れも相当力を入れてやっているはずですし、日本酒・焼酎の揃えも東京にあったとしても十分自慢できるレベルでしかも理不尽なプレミアもありません(高価な酒はありますが)。これらを両立させるのは並大抵の事ではなく、ご主人の店をやっていくことに対しての熱意を感じずにはいられません。全く自分はこの店のことが大好きになりましたし、旅先の地でこのようなお店に出会えたすばらしい幸運に感謝するほかありません。
※ところで、上で食べ物を絶賛しましたがこの店に料理だけを目当に行くことは"絶対に"お勧めしません。何故ならお店のスタンスとして日本酒・焼酎を楽しむ居酒屋である、ということを大変重視しており、それはメニューにビールやウーロン茶のみのお客はそれらの値段が2倍(あるいはそれ以上)になるということを明記しているほど明確に示されているからです。