DTS-HD MA対応のBDソフトはどんなもん?

本日からPS3の新ファームが公開されてVer.2.30 となりました。更新のポイントとしてStore系もありますが、AV方面での目玉としてロスレスコーデックであるDTS-HD Master Audioへの対応があります。

DTSはDVD時代からDolby Digitalとサラウンドコーデックの中心を争ってきた製品で、DVDにおいてはDDの最大448kbpsに対して、768kまたは1.5Mbpsの高いビットレートにより高音質を売りにしていました。HD時代になりDTSもDTS-HDとなりましたが、少しわかりにくいのがひとくちにDTS-HDといっても2種類あるところです。それがDTS-HD Master AudioとDTS-HD High Resolution Audioでして、前者は最大24Mbpsの可逆圧縮、後者は6Mbpsの不可逆圧縮を行います。今回のアップデートによりPS3はこの両コーデックをデコードしてリニアPCMとして外部アンプに出力できるようになりました。従来はDTS-HD各コーデックによって圧縮された音声データに"コア"として収録されている低音質(従来のDTS相当)の音声のみが視聴可能だったわけです。

さて、ハードが対応してもソフトがなければものの役に立たないのはご存じの通りですが、DTS-HDに対応したソフトってどんなものがあるのだろうと思い調べてみました。方法はImpress AV WatchBlu-ray/HD DVD発売日一覧ページを利用し、発売日時を広くとった上で文字列に"DTS-HD"と入力して検索しました。
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/bdhdship/


その結果が49件です。これが多いか少ないかは主観によるでしょうが、BD全体で369本ありますので、DTS-HD対応ソフトは全体の13%弱と言ったところです。さて、もう少し詳しく見ると販売元に非常に偏りがあると言うことです。SPEが2枚、ギャガ、ポニーキャニオンジェネオンが各1枚発売している他はすべて20世紀FOXのソフトです。ジャンル的にはアニメが3本、TVドラマが1本ある他はすべて洋画です。ちなみにアニメのうち2本、TVドラマは洋物です。つまるところPS3のAV機能の拡充の恩恵を受けまくっているアニオタ的には今回のアップデートはあまりありがたみがないと言うことのようです。洋画の方も20世紀FOXのラインナップを見る限りあまり好みのものがない、興味があるのがダイハード4.0くらいと言ったところでして、レンタル入りしてればともかく、TSUTAYAのレンタルにも入ってない状況ではなかなか利用する機会はなさそうと言うのが私個人としての現状ではあるようです。

ちなみにライバルのDD+は同様の調べ方で70件でした。数量でややリードしているほか、販売元の偏りが少なく、バンダイビジュアルが採用している関係で日本アニメでの採用例もいくつか出ています。しばらくはこちらのお世話になる機会の方が多そうです。